成義の日記 2010年03月03日(水) 01時00分

  
事故の可能性を考えた次の瞬間には、PCのメーラーを開いていた。
他人のメールソフトを見ることに後ろめたさを感じる余裕は、そのときには無かった。
アドレス帳を開く。
誰でもいい、カズさんのこと聞ける人を探さないと。
 
カズさんのアドレス帳は、ラジオ番組のアドレスばかりで埋め尽くされている。
しかも、放送終了した番組のものまで残っているから、それ以外の、カズさんの友達や家族、知り合いなどのアドレスを探すのが、とてもたいへんだった。
一つ一つ丁寧に調べること10分、ようやく辿りついた。
「徹」という名前のアドレス。
 
僕がいないとき、カズさんとブログで話していた人だ。
たしか同級生で、ガンダムが好きだったはず。
その人なら、何か知ってるかもしれない。
とにかく、「徹」さんにメールを送ろう。
 
メールの文章を作るのに、だいぶ時間がかかった。
なにせ、自分でも状況がわからないことを説明しなきゃいけないから、難しい。
何度も書き直したり、普段使わないような「夜分遅くに失礼します」といった、大人の人に対しての書き方もしたものだから、メールを送信した頃にはももちのラジオが終わりかけていた。
 
あれ、ももちなんで声が変なんだろう、とぼんやり思いながら、少しだけ気持ちが落ち着いたような、まだ落ちつかないような、そんな感じのまましばらくカズさんの部屋に残った。
なっきぃのラジオも、ぼんやりしながら聴いた。
そろそろ帰ろう。