■
「和夫です」
「成義です」
「さ、今日も1コだけやるよ」
「サクッとですね」
「まっつーが、ようやく重い腰を上げたようでな」
「あれ? まだやってなかったんだ」
「そして、このタイトルを見ろ!」
「なんすか 急に上から目線になって」
「あ、今の言い方でミロマン思い出した 元気でやってるかなあ」
「タイトルって、べつに普通じゃないですか 『アヤブログ』って」
「いや、だからよ そのシンプルさが、まっつーらしいと思わないか?」
「やる気ないってことですか?」
「そうじゃねえよ ブログはタイトルより中身だってことだろ」
「マジで?」
「たぶん」
「あ、そういえば、うちのブログのタイトルですけど」
「それは成義くんが考えたんだろ? 黒澤映画の何かから取ったとかどうとか・・・」
「『悪い奴ほどよく眠る』からですけど、その後の『(仮)』はカズさんが付けたじゃないですか」
「ああ」
「いつまで『(仮)』なんですか?」
「“いつまで”とか、ねえよ」
「え!」
「長澤まさみの『タイトル未定(仮)』ってラジオあったろ? それと同じだから」
「意味わかんないんですけど」
「『(仮)』も含めてタイトルだっての」
「だから、なんで?」
「『(仮)』ってあったらよ、少しぐらい悪口書いてあっても、許してもらえるかもしれないだろ?」
「はぁ?」
「『あ、まだ模索しながらブログ書いてるのかな』って、やさしい目で見てもらえるかもしれないっていう可能性を引き出すための『(仮)』なわけよ」
「責任逃れってことですか?」
「なんていうのかな、あらかじめハードルを下げとくっていうかな」
「ホントにそんな効果あんの?」
「やぐっちゃんのブログも『初心者です』って、すげー下から入ってるだろ? 今の時代、そういうテクニックが必要なんだって」
「大事なこと書いても、説得力が薄れそうですけどね」
「もうね、こんだけ情報が溢れすぎてる時代だとさ、反感を買わないようにするのが最低条件になってくるわけよ」
「じゃあ、カズさんが悪口言わなければいいだけじゃないですか」
「そうじゃねえんだよ 本人に自覚がなくても悪口って取られるパターンもあるしな」
「なんか、カズさんの卑屈精神が出てるだけに思えてきたけど」
「じゃ、次回もまた見てくださいね〜 絶対に見てね〜」
「地方局の番宣みたいになっちゃったよ・・・」