「和夫です」
「成義です」
「帰ってきたようだな、成義くん」
「ええ ていうか、火曜日ぐらいから立ち直ってましたけど」
「え そうなの?」
「昨日もぷりプリの公開録音に行ってきたし」
「マジかよ ていうか学校どうしたんだよ・・・」
「今回のえりかちゃんの件は、自分で勝手に混乱してただけっていうか」
「ほほう」
「栞菜のすぐ後だったから、この先の℃-uteがどうなるかって問題ばっかり気になっちゃって」
「あー まあ、5人になるしな」
「でも、それはどうにかなるっていうか、見守るしかないと思って」
「考えても仕方ない、ってことか」
「だから、今はえりかちゃんを気持ちよく送り出してあげようって、それだけ考えることにしました」
「ああ、それがいい 卒業ってのは、そうあってほしいね」
「じゃ、話変わりますけど」
「なんだい」
「ベリのDVDマガジン、見ました?」
「あ」
「んもう 今週やるって言ってたのに」
「ディスク7枚は多すぎだって」
ガンダムは20時間も見てるのに」
「来週な、来週」
 

 
梅田えりかの功績
 

 
「まだ卒業まで時間はありますけど、えりかちゃんの残してくれたものを振り返りたいと思います」
「あいさ」
「いろいろありますけど、やっぱりグループを支えてくれたって部分が大きいですかね 精神的な面で」
「ほほう」
「リーダーの舞美ちゃんも含めて、えりかちゃんに助けられたことって色々あったと思いますね」
「じゃあ、あれか ホワイトベースで言えばリュウみたいな存在ってことか」

「・・・またガンダム?」
「あれ? ってことは、矢島さんがブライトってことになって・・・それはないか・・・」
「べつに喩えなくていいから」
アムロが誰になるんだって問題も残るしな・・・」
「カズさんは、えりかちゃんに対して何かないんですか?」
「え まあ、面白い子だったよね」
「あ、そこ行きますか」
「あの矢島さんとやってたラジオあったろ?」
「キューパーですか」
「そう Cutie Party な あれさ、今になって凄かったなと思うんだよ」
「そうですね やじうめの良さが出まくってましたからね」
「普通ならツッコむとこなのに全肯定だったりさ、でも、そういうズレたとこが聴いてるうちにクセになるっていうか」
「恥ずかしいぐらいにイチャイチャしてたし」
「なんだろうな・・・言葉で説明できないけど、凄かったんだよな 聴いた人間にしかわからないんだろうけど」
「アイドルにしか出せない面白さですね」
「うん、まあそうだな テレビのバラエティなんかじゃ、まず作れない笑いがあった」
「キューパラもそうでしたけど、幸せな気持ちになれましたよね」
「ああ、よくやってくれたよ アッパレだ!」
「なんで大沢親分みたいになってんすか 急に」
「いや、どっちかっつうと、ハリーの気持ちなんだけど」
「わからない 違いが全然わからない」
 

 
いつまで「道重さん」なんですか?
 

 
「どういうこと?」
「あ、これ前から聞こうと思ってたんですけど、さゆって20歳になったじゃないですか」
「ああ 成義くんも、そういうのに気づくようになったか」
「で、カズさんは20歳を超えたメンバーは“さん”付けしない、って言ってたじゃないですか」
「あー、まあな」
「なのに、ずっと『道重さん』って言い続けてるから、どうしたんだろうって思って」
「いや、べつに、誕生日になったら切り替えるとか、そんなキッチリした決まりごとでもねえし」
「アバウトなんですか」
「まあ、おいおい変えようとは思ってたけど」
「じゃあ、やっぱり“さゆ”って呼ぶんですか?」
「んー、どうすっかな」
「“さゆみん”とか? あ、前に言ってた豚とかいうやつ?」
「だから、豚じゃなくて痴豚だって言っただろうが いや、それも使えるわけねえし」
「ええ やめといたほうがいいですよ」
「そうすると・・・やっぱ『重さん』かな」
「あ、そっちですか」
「本人は『重さん』って言うな、って怒ったりしてるんだけどな」
「え、怒ってんの?」
「道重の“ゲ”が嫌いだからって、昔から一貫して言い続けててな」
「あ、前に言ってましたね」
「だからこその『重さん』なわけよ」
「逆においしい、ってこと?」
「しょうゆうこと!」
「あ、それ懐かしい」
「な、懐かしいて・・・ ショージ兄さんに謝れよ」
「え? ショージ??」
「もー、ハロヲタならヤンタンぐらい聴けよ」
「だってあれ、ベリキュー出ないし」
「出なくても聴くんだよ ひょっとしたらベリキューの話がでるかもしれないだろ?」
「そういうことあったんですか?」
「いや、記憶にないけど」
「なんですか、それ」
「結果じゃねえんだよ 気概だ、気概」
「聴きませんよ」
 

 
田村ゆかり
 

 
「嗣永さんのラジオに出てた人か」
「そうですね 声優さんらしいんですけど」
「ああ」
「どういう人なんですか?」
「え 俺に聞いてんの?」
「ええ だって、アニメとか詳しいでしょ?」
「俺はガンダムと富野しか知らないから」
「でも、他のアニメも見てませんでしたっけ?」
「いや、見てるけど、みんなが見るような有名なやつだけな あとは知らんよ」
「そうですか 知らないんなら、しょうがないけど」
「だから俺はさ、スレイヤーズしか知らないって言うこんこんと同じタイプなんだよ 能登さんじゃなくて、こんこん わかるだろ?」
「わかりません」
「あーもう ていうか、成義くんこそアニメ見ないのかよ」
「見ませんね」
「マジで? 全然?」
「あ、ジブリは見てますけど」
「あー、出ちゃったよ どいつもこいつもジブリジブリって」
「えぇ? ジブリも嫌いなんですか?」
「嫌いとかじゃなくて、眼中にない」
「大丈夫ですか? 国民を敵に回すようなこと言っちゃって」
「っていうか、あれのどこがいいわけ?」
「逆に聞きますけど、ジブリ見て幸せな気持ちにならないんですか?」
「ならない」
「じゃあ、僕から言うことは何もありません」
「なんだよその“わかる人にはわかる”みたいな空気 気持ち悪い!」
「あ、ていうか田村さんの話ですよ」
「タムラ料理長なら、わかるんだけどな」
「やっぱり、ああいう感じの声って、萌え〜ってなるんですか?」
「だからよ、俺はそういうアニヲタじゃねえっての」
「じゃあ、猫耳とかメイドさんとかは?」
「だから、そういうんじゃねえって 富野作品を何だと思ってんだよ」
「え、だって、のっちもガンダムで“萌え”みたいなことブログで書いてたような・・・」
「だから、能登さんと俺とは違うんだって カトリックプロテスタントぐらいにな」
「同じガンダムなのに?」
「あーもー、めんどくせーな!」