改めて今回の件を語る

 
「なんだ? まだ何かしゃべるっての?」
「ええ、一つだけ言わせてください」
「東京から大阪は意外と遠いってこと?」
「いえ、そうではありません」
「・・・ツッコミがまだ戻らねえなあ・・・」
「今回の件で、いろんなファンサイトとか、掲示板とかを見てたんですけど」
「あー、気になるよな こういうときは周りの反応が気になるもんだ」
「やっぱり、事務所に対して批判的な意見が多くあって」
「あー、まあ、いつもそうなるな」
「たしかに、スッキリした理由もなく、栞菜本人のコメントさえない文面でしたから、文句を言いたくなる気持ちは僕にもわかります」
「ふんふん」
「今まで長い間応援してきたファンに対してこの程度かよ、って思う気持ちは、よくわかります」
「ふんふんふん」
「でも、僕らはそれを我慢すべきだと思うんです 言いたい気持ちをぐっと堪えて」
「なんで?」
℃-uteを離れた栞菜と、℃-uteに残る6人のために、です つらいことがあっても、前を向いて行かなきゃっていうか」
「なるほどね」
「カズさんだって、前に言ってたじゃないですか」
「え、俺? 何を?」
「栞菜の休養が決まったとき、『こういうときこそファンは笑ってなきゃいけない』って」
「え、そうだっけ? ぜんぜん覚えてないわ」
「今になって、その言葉の意味がわかりましたよ」
「あー、でもよ、辞めるってなったら話は別だろ」
「え」
「まあ、最終的には前向きになるべきなんだろうけど、辞めるってわかったその日ぐらいはパニックになっておかしくないだろ、ってこと」
「ええ・・・パニックと言われても否定できませんね 今回の僕の行動は」
「だからな、事務所批判にしても、どうも俺はそれを止めろとは言えないんだよなあ」
「あれ カズさんもそっち派なんですか」
「いやいや 成義くんの言い分もわかるんだけどな、なんかこう、誰かに文句を言うことで気持ちが落ち着くんなら、聞き流してやればいいんじゃねえのかなって思うわけよ」
「そうかなあ 事務所に文句言ったって誰も幸せにならないし、嫌な気分になる人が増えるだけだと思うけど」
「ああ、理屈ではそうだろうな でもな、文句言ってるほうにしたら理屈じゃねえんだよ」
「それで周りが不幸になるんなら、やっぱり止めるべきですよ」
「それもわかるよ でも俺は、文句言ってるヲタを責める気にはなれないんだな」
「うーん・・・ この件に関しては、僕は譲れないですね」
「ああ、それでいいよ べつにどっちが正しいって話じゃねえし サラリーマンの愚痴に意味があるかってぐらいのことだから」
「僕は大人になっても愚痴言いませんよ」
「あー、無理むり そういうこと言ってる奴に限って愚痴大王になるんだよな」
「なりません」
「じゃあ、いいように使われるだけ使われてポイ、だな」
「それも、なりません」
「ま、社会に出ればわかるだろうて・・・ そして、ゆくゆくは俺と同じひきこもりになればいい ああ、それがいいって! 成義くん!」
「それだけは、絶対になりません」
「そして、スーパーひきこもりブラザーズとして、ハロヲタ界を席巻しようぞ! なあ!」