35歳の俺に今のお笑い事情を解説してください

 
「え、かずおじって35歳だったの?」
「ああ 言ってなかったっけ?」
「超おじさんじゃん!」
「なんだよそれ 超兄貴みたいな言い方しやがって」
「うちのお父さんのほうが年近いし」
「お父さん、何歳?」
「49・・・・・・・じゃなくて、44歳」
「・・・最初の49はどっから出てきたんだよ・・・」
「ていうか、かずおじってうちの倍以上じゃん」
「17歳と35歳だからな しかし、今後どんどん倍率は小さくなるんだぞ これ、数字の不思議話な」
「は? そんなの当たり前だし」
「あ、なんだ 知ってたのか」
「知ってるとか知らないとかじゃなくて なに得意げになってんの?」
「キツい・・・ 現実の女子とは、こんなにもキツいのか・・・」
「ていうか、お笑いの話するんじゃないの?」
「あー、ハロプロのラジオ聴きたくなってきた・・・ やさしい女の子の声を・・・」
「ちょっと! かずおじ!」
「はぅあ! そうそう、“今の”お笑い文化の話を聞きたいんだよ 最先端をいく女子高生にな」
「そんなの、ネットですぐわかるし」
「え?」
「ようつべの『再生回数』見れば、どれが人気なのかすぐわかんじゃん」
「いや、そうじゃなくてだな 生の女子高生の話を聞きたいってことよ」
「なにそれ エロいこと考えてんの?」
「違ぇよ 俺ら世代は、ネットを世界のすべてだと思ってないっていうか、なんとなく信じきれないっていうか・・・」
「ふーん だからメールシカトすんだ 大人って」
「いや、それはまた違うと思うけど」
「ていうか、学校で携帯禁止にしようとか言ってる大人とか、意味わかんないし 自分たちだって毎日使ってるくせにさ」
「あー、まあ、それはあれだ 携帯黎明期の宿命っていうのかな 今の子供たちは損する運命にあるんだよ」
「なにそれ マジ意味わかんない」
「あと10年ぐらいすれば、君ら世代が親になるから、そういうのもだんだん減っていくだろうよ」
「えー いっつも苦労すんのうちらばっかだよ」
「ああ 団塊ジュニアの高齢化問題も、君らの世代に降りかかるからな 覚悟しとけよ」
「はー、やれやれ 麻生ちゃんも、もっと頑張ってほしいよねー」
「あ、ていうか、お笑いの話すんの忘れてた」
「そうだよ あ、でも」
「なんだ?」
「もう帰る時間、ギリなんだけど」
「マジで? ていうか、この時間ってまだ新幹線あんの?」
「あ、夜行バスだから」
「バスで帰んのかよ しかも女の子1人で」
「女性専用シートだから、心配ナイツ!」
「電車の女性専用車輌ってのは聞いてたけど、バスにも女性専用とかあんのかよ・・・」
「ホントはバスごと専用にしてほしいんだけど、まだないんだよね」
「どんどん時代が変わっていくなあ・・・ このまま宇宙世紀になったら、女性専用ザクとかできそうだよな・・・」
「もう行くから ナルナルによろしくね」
おつかれいな
「じゃ、またね」
「・・・こ、こんなウジ虫みたいな俺に・・・『またね』って・・・ マチ子さん、あんたって人は・・・」
「だから、涙目とかキモいって」
「そんなツンデレちゃんみたいなことされたら・・・・・・惚れてまうやろー!」
「なんだ、お笑い知ってんじゃん」