ラジオの不思議な話

 
「和夫です」
「成義です」
「今日は臨時で、ちょっとラジオの話をしますけど」
「最近のなっきぃの大活躍についてですか?」
「いや、モーニング娘が出た番組の話だ」
「なんだぁ」
スターデジオでやってる『モーニング娘。秋のマンスリー・スペシャル 〜私たちの出番がやってきたぁ!!』ってやつでな」
「あー、なんか前にも話してましたね」
「で、聴いてない人にはわかりづらい話かもしれないんで、それはあらかじめ断っておきたいんだけど」
「あ、じゃあ僕、帰ります」
「ちょ! なんでそうなるんだよ!」
「え、だって、聴いてないから居ても意味ないかなと思って」
「いやいや、成義くんは居てもらわなきゃ困るよ 1人じゃ成り立たないブログなんだから」
「今日こそはベリのDVDマガジン見ようと思ってたのになぁ・・・」
「じゃあ、聴いてない人にもわかるように説明するとだな」
「はいはい」
「この番組な、スタッフの笑い声がけっこう入ってるんだけど」
「ももちラジオみたいな感じですか?」
「うん、まあ、あんな感じ」
「え、でも、カズさんはあれ気にならないって言ってましたよね?」
「ああ 嗣永さんのほうは、なんとも思わない」
「僕は、いまだに慣れないんですけどね・・・」
「ただ、このモームスが出た番組のほうは、笑い声だけじゃなくて、スタッフが普通にしゃべってる声も聴こえるんだよ」
「え? スタッフも喋ってるの?」
「あー・・・ここの説明が難しいんだけどな ・・・えーと、しゃべってるといっても、リスナーに向かって喋ってるわけじゃないのよ」
「メンバーと会話してるってことですか」
「えーとな、会話っていう会話とも違くて・・・ つまりその、だいたいどのラジオでも、ディレクターがDJに指示だしたりとかしてるだろ?」
「僕らには聴こえませんけどね」
「そう それが普通なのに、この番組ではそれがまんま乗っかってオンエアーされたみたいになってんだよ」
「えーっと、じゃあ・・・ スタッフさんが『次これやって』とか言ってるのが、リスナーにも聴こえるみたいなことですか?」
「そう ただ、それも聴こえてくる部分と、聴こえてこない部分とがあるみたいで、よくわからないわけよ」
「ふーん ・・・で、結局なにが言いたいんですか?」
「え? べつに、そういうラジオがあったよって話だけど」
「はぁ? なにその浅よくない話」
「だから、見出しに『不思議な話』って書いただろ? だから、不思議だねってだけのことよ」
「そうですか じゃ、今日はこのへんでお別れのお時間ということで・・・」
「あ、ちょっと待てって」
「なんすか、もう」
「この俺の抱いた不思議な感覚ってもんを、もうちょっと補足しておきたい」
「えー? そんなことより、なっきぃの写真集発売のお祝いしましょうよ」
「それは今度つきあうから、今日は俺につきあいたまえよ」
「面倒くさいなあ」
 

笑い声を付け足す意味とは?

 
「まず、ラジオでの『スタッフの声』が持つ意味を考えていきたいと思う」
「聴きたくないってこと?」
「まあ、基本はそうだが、さっき言った嗣永さんの番組で入る笑い声については、べつに構わないレベルだろう」
「そうかなあ やっぱりいらないと思うけど」
「1人しゃべりのラジオだと、どうしても単調になりがちだからな テンポとかリズムをつけるためにも笑い声の効果はある」
「夜中に芸人がやってるラジオだったら、わかりますけどね」
「ただ、今回のモームスの番組は、1人じゃなくて3人が出演している」
「さっきのリンク先みると、そう書いてありますね」
「ここがポイントでな つまり、3人もいれば笑い声が不足する事態なんて起こらないはずで、そこにスタッフの笑い声を付け加える意味ってあるのか?ってなるだろ」
「それはわかりますよ べりつぅも王国も、3人で盛り上がってるし」
「うん でも、スタッフの笑い声を絶対に入れちゃいけない理由ってのもないし、だからべつに、いいっちゃいいんだろうとも思うわけでな」
「だから“不思議”ってこと?」
「そう、なぜ入れたのかってことと、あともう一つ『おや?』と思う場面があった」
「なんですか」
「このスタッフの笑い声な、過剰なぐらいに入ってるんだよ 『え、今のそんなに面白いか?』ってとこでも大笑いしてたりとか」
「あー、現場でもMCに笑いすぎなヲタとか、いますね」
「そんな調子なのに、リスナーの投稿ネタには笑わないんだよ」
「あ、フォントカラー変えてきた このブログじゃ初じゃないですか?」
「うむ 重要なポイントだからな」
「リスナーのネタに笑わないって、全然ですか?」
「ああ それまでゲラゲラ笑ってたのが、コーナーに入った途端ピタッと静かになるのよ」
「じゃあ、笑ってたのはモームスさんのテンション上げるため、とかじゃないんですか?」
「うん、そう考えるのが自然なんだろうけど、そうすると、わざわざオンエアーに笑い声を乗せた意味がわからなくなる」
「あ、モームスさんにだけ聴こえればいいってことか」
「そう だから不思議なんだよ、この笑い声は」
「ていうか、『スタッフの声は入れるな』で済む問題じゃないの?」
「うむ その根本的な部分について、もう少し補足しておこう」
「長い話になってきたなぁ・・・」
 

ラジオに『音が入る』ことの意味

 
「えーっと、さっきさ、スタッフの指示の声も入ってるって言っただろ?」
「ええ」
「これ、すごいことだと思わないか?」
「なにが?」
「あー、やっぱりピンと来ないか」
「え、なに? なぞなぞ的な問題?」
「違ぇよ そうだな・・・あ、ほら、テレビの場合だと、ディレクターの指示があったら、それを受けたADがカンペに書いて、タレントに見せるだろ?」
「クイズショウで松浦さんがやってた感じですね」
「そうそう あれってさ、裏方のやりとりを視聴者に感じさせないための工夫じゃん?」
「ですね」
「だからさ、ラジオでスタッフの指示が聴こえるってのはさ、それをテレビでたとえると、タレントの横でディレクターが『あーしろ、こーしろ』って指示してるのが画面に映ってる、ってことなわけじゃん?」
「んー・・・ そうかな」
「あ、じゃあ、コンサート本番でBerryz工房とか℃-uteがが歌っててさ、そのメンバーのすぐ横にダンスの先生がいてさ、『ワンツーワンツー、はい!そこ我慢してー!』とか言ってる感じだよ」
「そんなことあったら、先生ばっかり気になっちゃいますね」
「だろ? そういう感じ」
「なんとなく、わかってきたかな」
「しかしな、裏方の人間が表に出ないってのは、当たり前のことなんだから、このラジオのスタッフもわかっててやってるはずなんだよな」
「ただ単に、出たがりな人なんじゃないですか?」
「いやいや、それは大人をバカにしすぎだよ もっと、なにか理由があるはずで、それに俺が気づいてないだけだと思うんだ」
「考えすぎでしょ」
「たとえばさ、両親に元気な声を聞かせてやりたい、みたいな深イイ話だったり」
「深くないっすよ 電話すればいいだけだし」
「あるいはな、実は某国のスパイで、スターデジオの電波を通じて暗号を送ってたりとか」
「このネット時代に、そんな面倒なことを?」
「絶対なんかあるはずなんだよ 自己満足とかそんな単純な理由じゃなくてな」
「だから考えすぎですって メールで『スタッフさん、もう少し静かにしてください』って送ればいいだけでしょ?」
「あ、わかった あの声、スタッフと思わせておいて実は超有名人だったりして、それを最後の週に発表するとか!」
「ダメだ ほんとラジオバカだよ、この人」
「実は玉井健二でしたー、とか! あ、そういう展開だな! それなら納得だよ!」
「・・・ええっと、それでは、今夜はももちとなっきぃのラジオあるんで、お聴き忘れのないように〜」